暗号資産

投資?デジタルアート? 何も知らない人向けのNFT紹介

はじめに

AmazonやSoftBank、auなど次々と大手企業がNFT業界へ参加を表明していますが、世の中的には「NFTについて全然わからない」「デジタルアートを持つことに意味があるの?」という方が大半と思います。そんなNFTに興味を持ち始めた超初心者向けに記事を書きました。

NFTは複雑で理解しないといけないことが多いため、本記事では多少の厳密さは欠いて、全くわからない人でも雰囲気が伝わるような内容を心がけました。

Yuga LabsによるNFT Collection 「BAYC(Bored Ape Yacht Club)」

NFTとは何か?

NFTはNon-Fungible Token(ノン・ファンジブル・トークン)の略で、非代替性トークンとも略されます。さっぱり意味がわからないと思いますが、ざっくりいうと、

「誰によって、いつ作られて、どのようなやり取りされたか」といった情報をすべてオープンに記録した唯一性を持ったデータになります。この技術を使うと、インターネット上でもいわば「一品もの」のデータを所有することが出来るようになります。

いままでの技術では、例えばAmazonで販売される電子書籍を例にすると、購入の記録はAmazonで管理され、Amazonのサーバーにあるデータを手元にダウンロード(コピー)して使っていました。この時データはAmazonといった大企業に握られているとも言えます。
一方でNFTの技術を使うと、クリエイターが作った写真や音楽、本などデジタルコンテンツを個人間で売ったり、プレゼントしたりといった取引をすることが出来ます。そしてそれは誰が所有しているかを特定することが出来るのです。

クリエイターが作りだしてから、今の所有者の手に渡るまですべてがオープンに記録されることで、誰か一人が所有権を持っていることを保証することができるからです。

この取引記録はブロックチェーンという仕組みで実現しています。このブロックチェーンも色々な種類が出てきているのですが、NFT取引ではEthereum(イーサリアム)とPolygon(ポリゴン)というブロックチェーンを使うことが多いです。クリエイターがデータを提供するときにどのチェーンでリリースするかを選ぶことが出来ます。

NFTを買うには?

NFTを買うためには、「ウォレット」とよばれる手に入れたNFTを保管するための入れ物と、買うための「お金」が必要です。これらを用意してから、NFTを扱う「マーケットプレイス」と呼ばれるメルカリのような場所で購入するのが一般的です。以下ではそれぞれについて、もう少し説明します。

ウォレット

ウォレットは仮想通貨や保有しているNFTをいれるための入れ物になります。通貨やNFTの保有情報はすべてインターネット(ブロックチェーン)上に保存されるので、通貨やNFTをダウンロードして入れる場所というよりは、お金やNFTにアクセスするためのソフトというイメージが近いです。

一番メジャーなのはMetamask(メタマスク)というサービスで作成するのが一般的です。

実際に利用するときは、WEBサービスを使うのではなく、PCではブラウザの拡張機能、スマホではiOS/Androidの専用アプリを使います。

ウォレットはその名の通り、お財布のようなものですが、実際の保有情報はブロックチェーンに記録されているので、ブラウザ拡張やスマホアプリからは自分のウォレットにアクセスするための認証機能の役割となります。

自分のウォレットを作ったら、先の両替した取引所からETHを送金することができます。

NFT取引で使うお金

NFT取引では日本円でやり取りできるサービスもありますが、NFTの取引で多く使われているお金は暗号資産(仮想通貨)の一つであるETH(イーサ)やMATIC(ポリゴン)です。どちらも「円」や「ドル」と同じでお金の単位です。ただ、日本やアメリカが管理しているのではなく、デジタルな仮想通貨の経済圏で共通に使うお金になります。

先の説明で出てきたブロックチェーンの名前と同じ名前に対応しているので混乱しやすいですが、別物です。

と考えると良いです。このお金を手に入れるためには、日本円からドルに換えるように、両替所のような場所が必要です。このサービスを提供しているのが仮想通貨の販売所になります。様々なサービスがありますが、私はCoincheckをメインで使っています。

口座を開設して日本円を入金すると、日本円をETHに両替することが出来ます。販売所でETHを購入するという形です。
(※個人間で円とETHをやり取りする取引所というのも存在しています。)

マーケットプレイス

NFTをやり取りする場所がマーケットプレイスです。

メジャーなサービスはOpenSeaが挙げられます。NFTをやり取りするメルカリやヤフオクのように、NFTの所有者間で出品したり、購入したりできます。データですので、購入手続きを行うと自分ウォレットに転送されてきます。

Metamask(メタマスク)のウォレットを接続すれば使うことが出来、NFTの購入や販売、オークションなど様々な取引が提供されています。

NFTの一例

それこそ星の数ほどNFTは生み出されていますが、私が初めて購入したNFTであり、応援しているプロジェクトを1つのCryptNinja Partnersを一例として紹介します。

(Openseaより CryptoNinja Partners の取引ページ)

こちらの作品は22,222個の画像が提供されており、1体1体全てが異なる画像となっています。既にすべての作品は運営側を含めた誰かしらに所有されており、Openseaで出品されているものは誰でも購入することが出来ます。

見た目に可愛く、プロフィールに設定するなど画像としての価値もありますが、それに加えてコミュニティの会員証的に使うこともできます。

「NinjaDAO」と呼ばれるDiscordのコミュニティでは、CryptoNinjaを保有している方は、Discord内のアプリでNFTを保有しているウォレットを紐づけると保有者としてロールと呼ばれるステータスが付けられます。

このように、NFTは画像としての価値だけではなく、コミュニティで保有者を区別することで様々なことが出来るようになります。例えば保有者だけでクローズドな会話グループを作ったり、NFTを複数所有してプロジェクトを応援してくれる人に対して新たなNFTを配布してコミュニティ内で優遇するなど、NFTを保有していることを基に様々な仕組みを考えることが出来ます。NFTで出来ることを模索しています。

個人的にはこれからのインターネットは、NFTの仕組みをインフラとして用いることで、今とは全く異なるコミュニケーションの形が構築されていくと感じています。

(詳細の説明は長くなるので避けますが、「WEB3.0」や「DAO」に通じてきます。)

まとめ

NFTについて知っておくと良い、一番入り口の部分を紹介しました。サービスや仕組みについても少しずつ解説していこうと思いますが、本当に何も知らないときはこのくらい表面だけをなぞるだけでも役に立つかと思いました。

私はNFTやそこで使われているブロックチェーン技術に未来の可能性を感じているので、もっと多くの人がこの世界に入ってきてNFT市場を活性化させて欲しいと思っています。NFTについて全くわからなかった人にとって、少しでも参考になると嬉しいです。